2020-08-24

民間団体らは中国の社区居民委員会での勤務が法に違反しないとした判決を批判

内政部は2019年、曾氏ら27人が社区主任助理(コミュニティの主任のアシスタントを意味する)として、中国福建省廈門市海滄区社区居民委員会に勤めていることが台湾地区と大陸地区人民関係条例(以下「法」という)第33条第2項に違反するとして、曾氏ら27人に対して夫々過料台湾ドル10万元の行政処分を下した。
 
法第33条第2項は、台湾の人民、法人、団体その他組織は、行政院大陸委員会が公告により禁止している大陸地域(中国)の党務、軍事、行政その他政治性を有する組織の職務に従事してはならないと規定している。その立法趣旨は台湾の安全・安定に重大な影響を及ぼすことにある。
 
曾氏ら27人が当該行政処分とその後の訴願結果に不服で、行政訴訟を提起した。本件の争点は、社区居民委員会の社区主任助理が党務、軍事、行政その他政治性を有する組織の職務に該当するか否かにある。台北高等行政裁判所は、法33条2項が職業選択の自由に対する客観的条件であるため、最も厳しい基準で行政処分を審査しなければならないとしたうえで、下記の判決理由をもって曾氏ら27人の係争行政処分の取消し請求を認容した(台北高等行政裁判所108年度訴字第1948号判決)。
 
判決理由については、「社区居民委員会」が地方政府の行政管理に相当する機能を持ち、政治性を有する組織に該当するものの、「社区主任助理」という職務は、顧問の性質に過ぎず、公権力の行使とは関係がないため、実質的に台湾の安全・安定に重大な影響がなく、大陸委員会が以前公表した3つの判断原則(①国家のアイデンティティまたは忠誠への影響がある職務、②中国台湾統一と関連する職務、③国家安全・利益を害する恐れがある職務)に当てはまる事情もないとのことである。よって、係争行政処分が比例原則に違反しているとした。
 
本件判決に対しては、民間団体および立法委員等が批判している。
 
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