2019-01-21

司法院大法官会議が都市計画の変更・決定の取消しを求める周辺住民の原告適格を拡大

2019年1月11日、司法院大法官会議(憲法法廷)釈字第774号解釈は、都市計画の変更・決定処分取消訴訟で、都市計画の変更の範囲外の周辺住民のうち、都市計画の変更により法律上の利益が侵害されるおそれのある者は、同都市計画の変更・決定取消を求める訴訟の原告適格を有するとの判断を示した。この基準からは原告適格は都市計画の変更の範囲に属する地域に居住する者に限られないとして、1979年3月16日付大法官会議釈字第156号解釈を補充した。

本件都市計画の変更・決定処分取消訴訟は、総合病院新病棟建設のため、都市計画法に基づき、推進されている住居地域から医療特定地域への用途地域の変更に係る都市計画の変更・決定を、同都市計画の変更の範囲外の周辺住民が争っている事件である。周辺住民は、本件都市計画の変更・決定がもたらす、防災・駐車及び交通問題等の生活被害を防ぐため、内政部の2009年3月6日付都市計画の変更・決定処分の取消しを求めて、訴訟を提起した。

一審台中高等行政裁判所は2013年6月19日、原告らの請求を認容する判決を下した(101年度訴字第260号)。しかし二審最高行政裁判所は2014年3月6日、原判決を取消し、訴えを却下するという逆転判決を下した(103年度判字第114号)。高裁判決は、原告らにつき原告適格を認めた上で、本案の判断に進み、都市計画の変更・決定の違法を認めて、請求を認容したのに対し、最高裁判決は前掲釈字第156号解釈を援用したうえで、本件都市計画の変更・決定処分の根拠となった都市計画法は都市計画の変更の範囲外の周辺住民の個別的利益を保護する趣旨ではないとして、原告適格を否定し、事件を門前払いにした。これに対し住民側が司法院大法官会議の解釈案件の申立てを行い、原告適格にかかる論点を憲法法廷としての司法院大法官会議に回付した。
 
司法院大法官会議による本件釈字第774号解釈は、憲法16条は裁判を受ける権利を基本的人権の一つとして保障している。それは救済の実効性を確保すべき憲法の趣旨から、私人が自己の権利や法律上の利益が侵害されたとき、裁判所に訴えて、公平な裁判所での裁判によりその争いを解決してもらうことができる権利である。都市計画の変更の範囲外の周辺住民からであっても、救済の実効性を確保し、国民に裁判を受ける権利を保障する憲法の趣旨に合致するため、都市計画の変更により法律上の利益が侵害されるおそれのある者であれば、同都市計画の変更・決定処分取消訴訟を提起することができるものとしている。
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