法務部の国家安全法改正草案の説明によると、グローバル市場や国際分業の下、現代の国家間競争は、武力装備のみならず、各産業及びテクノロジーの分野でも行われており、国家安全の概念は、軍事分野に限られず、経済発展や産業競争力にも及んでいる。このため、法務部は2021年7月21日に国家安全法の一部改正案を公布し、国家の中核的な主要技術に関する営業秘密(以下「営業秘密」という)を階層化した保護体制を築く必要があると表明した。
国家安全法の一部改正案における重要なポイントは、以下の4点である。
- ①外国、中国大陸、香港、澳門、海外敵対勢力、これらにより設立されるもしくは実質的に支配される組織、機構、団体、または派遣される者のために、営業秘密の侵害を行ってはならず、②外国、中国大陸、香港、澳門における営業秘密の使用を意図して、営業秘密を侵害してはならないことが規定される。
- 上記一の規制に違反した者に対する刑事処罰および自首、自白による刑罰の軽減、免除規定が置かれる。
- ①検察機関の捜査効率を向上させ、捜査よる営業秘密の再漏洩を防ぐため、「営業秘密法」の捜査営業秘密保持令に関する規定を準用し、②管轄裁判所を「知的財産及び商業裁判所」とする。
- 捜査営業秘密保持令に違反した場合、犯罪地の法における処罰規定の有無を問わず、国家安全法の刑事処罰規定が適用される。
今回の国家安全法の一部改正案による規制は、「営業秘密法」よりも厳しく、海外敵対勢力への抵抗を意図するものと思われる。営業秘密の範囲は現在科技部で検討されているが、半導体の先進的な製造工程、軍事航空機・軍艦の製造技術、中核的な品種についての農業技術等が含まれることになると想定される。