2025-12-01
薬剤師がLINEグループ内で時給について議論したことが、公平交易委員会より公平交易法に抵触するおそれがあると指摘されました。
最近、薬剤師がLINEグループ内で時給の相場(最安値はいくらか)について議論していたところ、これが公平交易委員会に通報されました。同委員会は、当該グループ内の議論が「支援薬剤師の時給の下限を制限している」との通報を受け、公平交易法違反の疑いがあるとして、薬剤師公会全国聯合会に文書で注意喚起を行いました。さらに、公平交易委員会は、全国聯合会に対し、所属会員に本件を周知させるとともに、公平交易法の関連規定を遵守するよう伝達することを求めています。
ただ、中華民国基層薬師協会の沈采穎理事長は、問題とされたLINEグループは専門団体の公式交流プラットフォームではなく、薬剤師同士が各種事項について連絡を取り合うための私人グループにすぎないと指摘しています。また、労働関係は市場における競争関係とは異なり、支援業務も取引行為には該当しないため、薬剤師がLINEグループ内で時給の相場(最安値はいくらか)について議論したとしても、公平交易法の適用範囲には含まれないとしています。そして、公平交易委員会が本件に対して行政裁量を行使することは、法律の授権範囲を超えるものであり、違法となるリスクがあると懸念を示しています。