2009-10-05
贈与の認定につき、国税局に立証の責任があると台北高等行政裁判所が判断
台北県在住の鍾氏が2005年3月に、自分の銀行口座からNT$1454万元を引き出し、その中のNT$1400万元を他人の口座に振り込んだので、調査局に贈与と認定され、脱税容疑で国税局に移送された。鍾氏は、当該資金は友人への借金であり、贈与ではないと主張し続けたが、財政部北区国税局が鍾氏の主張を採用せず、NT$458万元の税金、過料の納付を鍾氏に命じ、財政部も鍾氏の訴願(不服申立)を却下した。
但し、鍾氏が処分に不服し、裁判所に提訴した結果、台北高等行政裁判所は2009年9月に、国税局は財産権の変動を証明するだけでは足りず、当事者間に確かに贈与の合意があった等贈与成立の事実も立証しなければならないが、本件では、国税局は鍾氏の振込みは贈与に基づいたことを立証できなかったという理由をもって、国税局の原処分及び財政部の訴願決定を共に取り消した。
税務訴訟の実務では、最高行政裁判所は従来、課税の要件事実が納税義務者の支配範囲内に発生し、納税義務者の主観的な意思も客観的な事実から推論できるなどの理由で、税務機関の要件事実に関する立証責任を軽減させる傾向があった(例えば、94年判字第799号判決、94年判字第326号判決)。上記の事例では、台北高等行政裁判所が納税義務者に有利な認定を採り、従来の実務見解とは必ずしも一致しないが、納税義務者にとって、この判決を活用し、税務訴訟では税務機関又は裁判所の不合理な要件事実に関する認定方式に反論することは可能であろう。