2021-05-24
原住民狩猟に関する規制は一部合憲、一部違憲に 台湾の司法院大法官会議より
台湾の司法院大法官会議(憲法法廷)は5月7日に、第803号解釈をもって、台湾の原住民(先住民に相当する)の行う狩猟活動が違法とされて刑罰を科される根拠となる「銃・弾薬・ナイフ管理条例」や「野生動物保育法」などのいくつかの条項が憲法に違反するか否かについて、一部が憲法に違反しない(「合憲」)としつつ、一部が憲法に違反する(「違憲」)とする判断を下した。
原住民の狩猟について刑罰を免除されるのは自分で製造した猟銃を使用する場合に限定するという規定(銃・弾薬・ナイフ管理条例第20条第1項)および、原住民が伝統文化等のため野生動物を狩猟するには事前に主務官庁の許可を得ることが必要であるという規定(野生動物保育法第21-1条第2項)が比例原則に合致し、憲法に違反しないという判断が下された。
その内、野生動物保育法第21-1条にいう伝統文化というのは、原住民が所属部族の飲食・生活文化に基づき、野生動物を狩猟し、自分・家族・部族の食材や道具に供するという非営利的な活動を含むと解釈された。ただし、伝統文化のため狩猟できる野生動物には保育類動物(希少野生動物に相当する)を含まないと示された。
他方、解釈文は、銃・弾薬・ナイフの許可・管理弁法第2条第3号で規定する「自分で製造した猟銃」の要件が生命・身体に関わる危険性を伴うことから、原住民が安全に合法的な狩猟活動を行いようがないとして、当該弁法第2条第3号が憲法に違反すると判断し、2年内に修正すべきと判じた。
なお、原住民が伝統文化等のために非定期的に野生動物を狩猟する際に5日前に、主務官庁へ申請する必要があると規定する「原住民が伝統文化および祭礼のため野生動物を狩猟・屠殺・利用する管理弁法」第4条第3項については、突発的で事前に予見可能性がない活動に対して5日前に申請することを要求することが柔軟性に欠けるとして、憲法の比例原則に違反し、即日失効とすべきとされた。また、事前に許可を申請する際に狩猟する野生動物の種類・数量を記載する必要があると規定する同弁法第4条第4項第4号も、憲法の比例原則に違反し、即日適用しないとすべきと示された。