2025-04-14

劉振亞氏案の執行停止に関する裁判所判断

台湾に居住する中国本土出身の配偶者であり、インフルエンサーでもある劉振亞氏(以下「劉氏」)が、「武力統一」を扇動する発言をしたとして移民署により在留許可を取り消され、3月25日までの出国を命じられた。これに対し、劉氏は処分の執行停止を求めて裁判所に申し立てたが、台北高等行政裁判所はその請求を棄却した。
 
台北高等行政裁判所は、「原処分の執行停止」を認めるには「回復が困難な損害が生じるおそれがあること」「緊急の事情があること」といった積極的要件と、「公益に重大な影響がないこと」という消極的要件のすべてを満たす必要があると説明した。公益に重大な影響があると判断される場合には、執行停止は認められないとした。
 
劉氏のSNS上の発言について、通報を受けて当局が総合的に判断した結果、「台湾は永遠に中国の台湾である……」「両岸は最終的に統一され、必ず統一される」「明日の朝起きたら宝島(台湾)に五星紅旗が立ち並んでいるかもしれない」「台湾は中国の一部であり、台湾は中国の領土である……大陸が武力で台湾を統一するのに他の理由はいらない……祖国は統一されねばならず、必ず統一される」などの発言が確認され、それが拡散された結果、社会的な論争や対立を引き起こしており、社会の安定に害を及ぼすおそれがあると認定された。それにより、台北高等行政裁判所は、劉氏の利益と、執行停止をしないことによる公益への影響を比較衡量した上で、「本件は公益を優先的に保護すべきである」と判断し、執行停止は認められないとした。
 
なお、劉氏側はSNS上の内容は台湾の安全に危害を与えていないし、移民署が法令を誤って適用したと指摘したが、これらは処分取消訴訟において審査されるべき問題であり、執行停止の審理において判断すべき内容ではないとされた。
 
以上3点を総合的に判断し、「本件の執行停止の申請は、要件を満たしていない」として、申請を却下した。なお、不服がある場合は抗告可能であるとした。
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