2008-10-27
「人体器官移植条例」運用下での遺憾
人体器官移植条例第八条第一項には「医院の生体から臓器を摘出して移植手術を行うことは、次に列する規定を満たさなければならない:一、臓器提供者は成人でなければならない、且つ書面による同意、及びその最も近い親族二人以上の書面による証明を提出しなければならない。二、臓器の摘出で注意すべきは、提供者の生命安全であり、且つ移植はその五親等以内の血族又は配偶者に限る」と規定している。故に生体臓器提供は五親等の範囲内で提供対象を指定することができる。ただ、解釈上脳死者の臓器提供は行政院衛生署に協力して臓器提供及び移植の登録、データベースの設立等の関係作業を行なう「財団法人臓器提供移植登録センター」のシステムを通じて分配する必要があり、家族が直接提供対象を指定することはできず、以って臓器分配の公平正義に配慮している。
最近台中市で発生した呉という市民の場合、肝臓癌に罹っており、その実弟が転倒事故により医者に脳死と判定された。家族はその肝臓を肝臓癌を患っている兄に提供する意思があったが、上述人体器官移植条例の規定に符合せず、病院に移植手術を行うことを拒絶された。衛生署は、現行法下で脳死者は親族に臓器提供をすると指定することができないのは、脳死者の意向を知ることができないこと、且つ臓器売買の弊害を避けることを考量したものであると表示した。このような法規上の考量はもとよりその根拠がないわけではないが、実際の運用下で、反って弟が兄を救うことができないという遺憾な実例を生じさせてしまった。関係法令が改正されるまで、将来なお類似のケースが発生するのを避けることはできないこと予期できる。
近親者へ優先的に臓器提供をするという願いは、人の通常の感情であるが、脳死で家族が臓器提供を行うことにつき、現行法規が曖昧ではっきりしないので、妨げとなっている。将来立法者は脳死臓器提供者の近親者をして順調に臓器提供を獲得できる方向に向けて、新たに関係法令規定を調整することを考量しなければならないようである。