2009-06-08
父の借金は息子が返さなくてもよく、嫁いだ娘も債務を負わなくてよい
立法院は、民国(以下同じ)2009年5月22日に「民法相続編及び施行法条文一部改正案」」を可決し、相続制度を大幅に改革して、現行民法の「概括継続原則」を「全面限定相続」に変えた。将来、相続人は、僅かに相続によって得た遺産だけを限度として有限の弁済責任を負わなければならないだけである(改正民法第1148条第2項)。「父の借金は息子が返す」という伝統は歴史になり、改正後の新法が採用した相続限定責任も台湾独自のものであり、それは相続人の権益を保障するところの世紀の新法と言える。
改正法を遡って適用するかの争いについては、法務部は与党野党の立法委員と協議した後、条件付きで遡及することを確定した。2009年5月22日の改正施行前に、(1)「相続の開始以前に、代わって履行責任を負担する保証契約債務が既に生じた」、(2)「相続人が既に1145条の規定により代位相続した(例えば、孫が父親に代わって祖父を相続する)」、及び(3)「相続人は、自己の責めに帰することができない事由、又は同居して財産を共有していない者が相続の開始時に相続債務の存在を知らず、改正施行前の法定期間に相続の限定又は放棄を行うことができないとき(例えば、娘が嫁いでいる)」という場合で、特に債務の相続を引続き履行すれば明らか公平を失う状況の下、相続によって得た財産を限度として、有限の弁済責任を負う(改正民法相続編施行法第1条から第3条)、但し改正案が可決される前に、既に弁済した債務については、相続人に返還するよう要求できず、以て法律秩序を維持する。
今回の改正の切っ掛けは、現行民法相続編が「当然相続主義」を採ったため、「制限行為能力者」、「行為無能力者」が限定相続を採る場合を除き、相続人は法定期限内に限定相続又は相続放棄を行わないなら、被相続人の財産上の全ての権利義務を引き受けなければならないので、法律が分らない、又は被相続人の財務を知らない民衆が訳もわからないまま、大きな債務を負って生活が困難になったからである。
この外、一部の債務者が法律の穴を掻い潜るのを前もって防止するため、今回の改正には、相続人が相続開始日以前の2年内に、被相続人から財産の贈与を得た場合も得た遺産の一部と見なし、その価額は贈与時によって計算すると明記された(改正民法第1148条の1)。相続人が遺産を隠蔽し、遺産目録の虚偽登録をして情状が重大であり、又は「債権者の権利」を詐害することを意図する場合、限定責任を主張することができない(改正民法1163条)。債権者は裁判所に対し申立てることにより、相続人に3ヶ月以内に遺産目録を提出し、清算手続きを開始するよう要求することができる(改正民法第1156条の1を改正)。
債権者は債権を確保するため、司法のルートで、相続人が確かに「自己の責めに帰することができない」ものであることかを明らかにさせるので、遡って適用するのを強く求める相続人は、恐らく裁判所で自己のために挙証する心の準備が必要であると立法委員は表示した。