2009-08-31

抗がん剤をめぐる争い、東洋薬品の仮差押に対する抗告が成功

抗がん剤「Gemcitabine」をめぐる台湾と米国の製薬会社同士の戦争は再び勃発しました。米国のイーライリリー社(Eli Lilly and Company)と台湾の台湾東洋薬品との間の仮差押事件について、知的財産裁判所は先日、桃園地裁による台湾東洋に対する仮差押の許可裁定を廃棄し、イーライリリー社の仮差押の申立を却下しました。ただ、イーライリリー社はまた最高裁判所に上告することができます。

イーライリリー社は台湾でGemcitabine抗がん剤「健擇Gemzar」を販売しています。一方、台湾東洋は中国からGemcitabineの合成注射剤を輸入し、「健仕注射剤」という薬品名で販売しました。これにより、イーライリリー社は台湾東洋に対し侵害排除の訴訟を提起した(現在、台湾高等裁判所に係属中)他、台湾東洋による使用、販売を禁止する仮処分の申立も裁判所に許可されました。その後、台湾東洋は衛生署から「健仕注射剤」に対する薬品許可証を取得したので、「健仕注射剤」をマーケティングしました。これに対し、イーライリリー社は台湾東洋に仮処分命令の違反があり、損害の拡大を防止するために保全の必要性がある、という理由をもって、裁判所に台湾東洋の商品に対する仮差押を申立てました。これに対し、桃園地方裁判所はイーライリリー社に担保の提供を命じた後、仮差押を許可したが、台湾東洋はこれに不服し、知的財産裁判所に対し控訴を提出しました。同裁判所は、イーライリリー社と台湾東洋、及びイーライリリー社と台湾神隆との間の特許侵害訴訟はまだ審理中であり、当該抗がん剤の特許権者は誰かについてまだ確定できず、台湾東洋は資本金がニュー台湾ドル9億元を超えた上場会社であるので、たとえ損害賠償責任があっても、それを賠償する財力がないわけではない、という理由をもって、桃園地裁の仮差押許可裁定を廃棄し、イーライリリー社による仮差押の申立を却下しました。
前の記事 一覧に戻る 次の記事