2010-07-26
労委会版の労働基準法改正案 派遣の明文化へ
台湾の労働基準法及び労働法諸規定には、現在「派遣労働者」に関する定めがない。ただし、派遣労働者が台湾において多くの企業に使われていることは、間違いなく台湾の労働市場の実態だと言える。また、統計によると、現在台湾において少なくとも20万人以上の労働者が、派遣の形式で派遣先の会社で勤務してるとのことである。
このような実態に鑑み、行政院労工委員会が最近26年来最大幅の労働基準法改正草案を提出した。また、この改正草案につき、一番世間の関心を引くのは、初めて労働基準法の範囲に入る「派遣労働」に関する規定だと思われる。この改正草案での派遣労働に関する規定につき、そのポイントは、①ネガティブリストを採用して、医事、警備、航空、船員、公衆輸送手段の運転手、採鉱及びその他主務機関が指定した業種につき、派遣労働者を使うことができない。②一般企業の派遣労働者数は、その総労働者数の3%を超えることができない。但し、労資会議又は従業員組合の同意を得る場合、それぞれ5%又は20%まで引き上げることができる。③派遣元である派遣会社と派遣労働者との派遣契約は、定期のものは禁止されるなどが挙げられる。
この改正草案に対し、労働者団体、企業団体のいずれからも不満という意見が出てきた。企業団体は、派遣の明文化により企業の人力部署の柔軟性が妨げられ、人事コストも大幅に増加する恐れがあると予測している。一方、労働者団体は、派遣の明文化及びネガティブリストを採用することにより、特定業種以外の派遣労働の正当性が認められ、労働者にとって絶大な不利益となるとして、ポジティブリストを採用するよう要求している。
前述の状況を見ると、この行政院労工委員会版の労働基準法改正案につき、この先度重なる交渉又は検討が必要となると予見できる。